応用例
食肉用塩水の調製
保存料、香味料、着色料として複数の機能性成分が食肉に添加されます。一般的にこれらを水に溶かした塩水(かん水)を作り、それを食肉に注入します。
食肉用塩水の別の目的は製品の量や重量を増すことです。重量増については最終製品の種類、価格、品質により異なり、一般的に15%未満から50%以上です。
プロセス
従来の塩水(かん水)は基本的に水、塩、砂糖で作られますが、通常は(規定に沿って)さらに多くの成分が含まれています。機能は下記のとおりです:
成分 |
標準%(溶液) |
% |
機能 |
---|---|---|---|
塩(NaCL) | 12%まで | 2% | 香味料、 保存料。 |
砂糖 | 6%まで | 1 - 2% | スクロース。 香味料は保存料の働きもします。グルコースやマルトデキストリンなどの他の糖類は必要に応じて固形分を増やすために使われます。 |
亜硝酸ナトリウム と硝酸ナトリウム |
0.5% | 0.1%未満 | 亜硝酸ナトリウム/硝酸ナトリウム。 加工肉の安定したピンク色を発色する保存料。 |
リン酸塩 | 4%まで | 0.5% | ポリリン酸塩は製品の水結合を高める働きがあり、 50%以上まで高めることができる。 |
タンパク質と 親水コロイド |
0.1 - 0.3 | 高い水結合用。 安定剤はさらに風合いや食感を高める働きをします。 低脂肪加工肉に広く使用されています。 動物性タンパク質には乳清タンパク質、 カゼイネ ート、 血液タンパク質、 コラーゲン、 ゼラチンを含みます。 植物タンパク質には大豆タンパク質、 スターチ、 カラギーナン、 ロ ーカストビーンガム、 グアールガム、 キサンタンガムが含まれています。 | |
酸化防止剤 | アスコルビン散ナトリウム、 エリソルビン酸ナトリウム。 | ||
旨味調味料 | グルタミン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、 植物タンパク質加水分解物、 動物性タンパク質加水分解物。 |
食肉用塩水の溶液は通常使用に際し必要に応じて調製されます。一般的には小さな台車付タンクが使用されますが、より大きな処理量ではバルク製造されます。付加的な工程条件には次のようなものがあります:
- 砂糖や塩などの固形分が注入装置を閉塞しないよう、また十分に機能するようミキサーで完全に分解する必要がある
- 凝集のない均一な混合液を作るために安定剤も同様に完全に分散され、溶解される必要がある
- 分離や沈積を避けるため、食肉用塩水は安定している必要がある
- 運搬箱など長方形のタンクが使用される固形分が溶解しないまま残ったり、適切に設定されていない状況での溶解が起きないようにタンク内の流動を維持する必要がある
- 工程全体を通して温度は低く維持する必要があり、そのために氷を加える場合もある
- 混合機は摩擦や腐食への耐性が必要
課題
塩と砂糖を比較的低い濃度で溶解するのは難しくなく、従来のアジテーターの行うことができますが、いくつかの課題が発生します:
- 塩分濃度が高い配合では比重が高く、塩分を完全に溶解するには特に室温・低温では大きなエネルギーが必要
- リン酸塩は特に溶解しにくく、可溶化が不十分だと加工後に肉から水分が分離してしまう可能性がある
- 安定剤は凝集しやすく、撹拌では分解されない
- 固形分を完全に水和させ溶解させるのには長い時間がかかり、温度上昇につながりかねない
- 製品温度を下げるために氷を入れる場合、撹拌によって融解に時間がかかり、冷却効果が薄れてしまう
ソリューション
シルバーソンハイシアミキサーなら工程時間を劇的に短縮し、製品品質と安定性を高めることができます。処理量が小さい場合はタンク撹拌機型が特にこの作業に適してい す。 (インラインミキサーは大きな処理量に対応します。)
ピックル液の調整にはウルトラミックスミキサーを使用します:
メリット
- 従来のミキサーと比べてごく短時間で凝集のない均一な混合が可能
- 短時間の混合のため、温度の上昇が抑えられる
- すばやい粉体の吸収で作業者エラーのリスクを低める
- 安定剤の歩留りが高く、コスト上昇を抑える
- 安定した食肉用塩水は注入後に最終製品から分離しない
- 安定した品質と高い再現性
- ウルトラミックスとバッチミキサーは移動式フロアスタンドに設置でき、移設が容易で他のタンクでも使用できます
- タンク内の大きな流動により、長方形タンクでも作業可能
- ウルトラミックスのシングルミキシングヘッドには摩耗部品や軸受けがありません。ミキサーの接液部はSUS316Lで、鋳鉄もしくはステンレスのモーターを選択することができます