化学用途のキサンタンガム
キサンタンガムは特に食品製造においてエマルジョンや溶液の増粘や安定化に使用される多糖類です。キサンタンガムはさらに粘着剤、セラミック釉薬、掘削泥、鋳造塗料、ラテックス乳剤、潤滑剤、ペンキ、コーティング剤、駆除剤、繊維などの化学用途でも使用されます。
キサンタンガムについてさらに詳しくは、食品アプリケーションをご参照ください。
プロセス
キサンタンガムは高温、あるいは低温の媒体に分散することが可能で、容易に分散できるタイプも含め、さまざまな種類があります。キサンタンガム粉体は水に加えると凝集しやすいため、さまざまな分散・溶解の方法が取られています。生産のスケールや原材料などの要素によってその方法は異なりますが、主なものは次の通りです:
- 撹拌タンクの水渦に粉体をゆっくり加え、分散したら溶解するまで混合を続ける
- 粒子を分離させることで凝集しにくいようにキサンタンガムを他の粉体材料と事前
に予備混合する場合がある - キサンタンガムを油やアルコール、グリコールなどの非水溶液相に分散させてお
き、それから水溶液相に加えて溶解させる
課題
従来のアジテーターを使用してキサンタンガムや増粘剤を分散しようとするといくつかの課題が生じます:
- 上述の方法でも凝集体ができてしまうが、アジテーターではすばやく凝集体を分解すする十分な剪断が得られない
- 従来の方法では歩留りの改善が難しい
- 歩留まりを上げるために必要以上のキサンタンガムを加えることになると、原材料コストの上昇につながります
- 粘度が上がり始めると溶液の撹拌がしにくくなり、粉体の分散がさらに難しくなる
- 十分に分散・溶解するのに長時間の混合作業が必要になり、ゲルの品質が悪くなる
- ガムの粉体材料との予備混合、また非水溶液相との予備混合は工程時間とコストの増大になる
- 溶解しきらなかったガムが貯蔵期間や次工程で少しずつ溶解が進み、製品粘度が変化してしまう
- 水の配合量が限られる場合に必要な高濃度のガム溶液は従来の方法では作れない
ソリューション
シルバーソンハイシアミキサーなら従来の方法と比べて大幅に短縮された時間で凝集のない分散とガムの水和、溶解が可能です。バッチ式であれば、シルバーソンウルトラミクスが最適です。次の原理で処理します:
Stage 1
タンクに液を入れ、ミキサーを始動します。キサンタンガムを素早く一気に液に投入します。ウルトラミックスのヘッドの高速回転によって強力なボルテックスが生み出され、粉と液をヘッドに引き込みます。
Stage 2
材料がヘッドの外側のスロットから液中に排出され、その時に凝集塊が分解されます。
Stage 3
ウルトラミックスが生み出すタンク内の強力な流動によって、すべての材料が素早く繰り返しワークヘッドを通過して段階的に細粒化され、接液面積が大きくなります。これにより、素早く溶解が完了します。
メリット
- 歩留りを向上し、機能性を最大限に引き出すことでガム消費量を抑え、原材料コストを最小限にすることが可能
- 粉ダマや凝集のない混合液
- 作業者の人為的なミスを大幅に回避
- 混合時間を大幅に短縮
- 安定した製品品質と高い再現性
- 他の粉体材料や非水溶液相との予備混合が不要
シルバーソンには、この処理に適した様々なミキサーがあります。スループット、最終生成物の粘度、キサンタンガムの濃度やガムのグレードに応じてモデルを選定します。
フラッシュミックス
- 大きな処理量に最適
- 大量の粉体をすばやく投入・混合することが可能
- 空気の混入が少ない
- 洗浄が容易
- 制御された定量の粉体投入
- 操作が容易
- 高粘度液の処理に対応
- 従来よりも高温度での処理に対応
インライン型ハイシアミキサー
- 大きな処理量に最適
- 既存の設備への取り付けが容易
- 粉体を液中に取り込むための高効率アジテーターをタンク内で併用
- 空気の混入がない
- セルフポンプ効果
- タンクの内容物の移送が可能
- CIP(定置洗浄)対応
- 高粘度対応モデルあり