製紙用コーティング剤の調製
製紙コーティング剤によって紙は装飾上(白色度、不透明度)また機能上(滑らかさ、給水率など)の特性が大きく変化します。標準的なコーティング剤には2つの基本要素があります: 顔料の水中分散と粘着剤もしくは結合剤です。
コーティングは以前は白陶土(カオリン)やベントナイトなどの粘土ベーストのものが主流でしたが、近年では炭酸カルシウムが一般的になっています。特定の特性を出すため、さらに次のような材料も使用されます:
- タルク - 滑らかさ
- シリカ - インクジェット用紙など、吸水率を高める用途
- 二酸化チタン - 白色度と不透明度を高める
- レジン - インク吸収率の抑制
プロセス
粘土や他の顔料は通常固形分60%のスラリーのバルクで供給されます。製紙メーカーによっては撹拌で水中に粉体を分散し、自社でスラリーを準備する場合があります。この作業自体は複雑なものではありませんが、各バッチを用意するのに長時間の混合作業が必要になります。基本的なコーティング剤の調製は下のように概説できます:
- スラリーを作業濃度まで希釈しストレージタンクに貯蔵
- 結合剤はスラリーに混ぜる前に別に調製する
- ワックスや着色剤など他の添加剤を加える
- 出来上がったコーティング剤の凝集体や不純物を取り除くために濾過する
- さまざまな方法でコーティング剤を紙やボードに塗布する
課題
- 撹拌では粘土スラリー中の凝集体や不純物を分解できない
- 不純物などがコーティング機に付着し、コーティングのムラなどの施工不良の原因となる
- 濾過による凝集体の除去は歩留りの低下、廃棄、工程時間とコストの増大につながる
ソリューション
下のように標準的なスラリー処理システムにシルバーソン インラインミキサーを組み込むことができます。
スラリーがシルバーソンミキサーのワークヘッドを通過すると強力な剪断がかけられ、凝集体のない材料がコーティング設備に供給されます。さらにインラインミキサーを循環システムで使用することで分散を促進し、単なる撹拌作業と比較して大幅に短縮され時間で凝集のない均一なスラリーを作り出すことができます。
シルバーソンミキサーのワークヘッドでの下の3段階の処理によってこの効果が生み出されます:
Stage 1
ワークヘッド内にスラリーが引き込まれ、遠心力によってヘッドの外側に向かって押し出されます。
Stage 2
ローターブレードの刃先とステーターの内壁の間のクリアランス部で凝集体に粉砕効果がかけられます。
Stage 3
材料がステーターを通って押し出される際に強力な流体剪断がかけられ、ポンプ作用によって次工程に供給されます。
メリット
- シングルパスで凝集体を完全に分解
- 既存の設備への取り付けが容易
- 濾過工程が不要
- 空気の混入がない
- セルフポンプ効果
- 製品の粘度により、タンクの内容物の移送が可能
- 廃棄の低減
- 歩留りの向上
- 結合剤や粘着剤などの他の添加剤の混合にも使用が可能
- 研究開発やパイロット生産に適した小型モデルあり
- 高粘度対応モデルあり