フュームドシリカの分散
フュームドシリカ(またはコロイドシリカ)はAerosil®やCab-o-sil®*などの商標で知られる超低密度の柔らかい白色粉体です。疎水性と親水性の両タイプがあり、比較的低濃度でも高い擬液性の特性によりレオロジー調整剤として使用されています。また粘着度があるため、溶液を安定させ、液中の固形分が沈下したりするのを防ぎます。こうした特性から、コーティング、インク、粘着剤、レジン、シーラントやグリスに使用されます。
フュームドシリカはさらに医薬品や化粧品などにも使用されます。
*それぞれEvonik Industries ADおよびCabot Corpの登録商標
プロセス
用途やプロセス方法、使用する装置はさまざま（シンプルなアジテーターから粉砕機まで）ありますが、機能性を最大限引き出すための工程条件は多くの点て共通します:
- 混合設備には粉体をベース液にすばやく取り込み、分散する能力が求められる
- 機能させるために剪断作用が必要フュームドシリカの粘度や濃度は分散の設備の性能の影響を受けるが特に製品の配合や工程条件を調整する時に注意が必要
- 粘度が上がるにつれてタンク内の大きな流動を維持する必要がある
課題
従来型のミキサーやアジテーターでは生産工程中に複数の課題が生じます:
- 粉体は密度が低くて液面に浮いてしまい、液中に取り込むのが非常に難しい
- 粉体は非常に微粒で発塵の問題が生じる
- 粉体を液中に取り込んだ後も完全に分散させるのに長時間かかる
- 剪断力の低い混合設備はフュームドシリカの分散には不向きである粉体を液中に取り込めたとしても高剪断がないと増粘の効果が十分に得られない
- 歩留りを上げるために必要量を上回るフュームドシリカが使用される
- 均一な分散ができないとバッチ・ロット間のばらつきが生じる
ソリューション
シルバーソン ハイシアミキサーならこうした課題に対処することができます。
シルバーソンミキサーのワークヘッドでの3段階のプロセスによってこの効果が生み出されます。次の原理で処理します:
Stage 1
ローターの高速回転によって強力な吸引効果が生まれて液体と固形材料がワークヘッド内に引き込まれ、すばやく分散されます。
Stage 2
遠心力によって材料がワークヘッドの外周に向かって押し出され、ローターブレードとステーター内壁の間の精密なクリアランスで粉砕効果がかけられます。
Stage 3
材料がワークヘッドから押し出され、タンクの溶液中に戻されます。それと同時に新しい材料が連続的にワークヘッド内に引き込まれます。短時間の循環ですべての材料がワークヘッドを何度も通過し、すばやく均一に分散されます。
メリット
- 均一な分散による、品質、安定性、バッチ間再現性の向上
- 粉ダマや凝集のない混合液
- 工程時間の大幅短縮により機械の摩耗を低減
- 研磨性の高い材料の加工に対応するため硬化処理されたローター刃/シャフト表面をオプションで選択可能
- フュームシリカの種類によっては液体のようにポンピングできるものがあり、容器から直接ローター部に粉体を供給することで発塵などの問題を抑えることができる
バッチ型ミキサー、インライン型ミキサー、フラッシュブレンド粉体/液体混合システムなどがありますが、処理量、原材料、最終製品の粘度などに応じて最も適したミキサーを選択します:
ウルトラミックス
- タンク内の強力な攪拌/流動
- 大量の粉体を取り込み、混合することが可能
- 高粘度液の処理に理想的
- CIP洗浄対応高サニタリー設計
- 防爆仕様あり（ATEX対応）
- メンテナンスが容易
インライン型 ハイシアミキサー
- 大きな処理量に最適
- 空気の混入がない
- 粉体を液中に取り込むための高効率アジテーターをタンク内で併用
- 既存の設備への取り付けが容易
- セルフポンプ効果(混合液の粘度による)
- さらに高い剪断力を持つマルチステージユニットあり
- 防爆仕様あり（ATEX対応）
- 高粘度対応モデルあり
フラッシュブレンド
- 大きな処理量に最適
- 大量の粉体をすばやく取り込み・混合可能
- 制御された定量の粉体投入
- 操作が容易
- バルクパウダー供給システムとの組み合わせが可能
- 防爆仕様あり（ATEX対応）
- 可燃溶剤/レジンを扱うシステムの場合にはシルバーソンにご相談ください