清涼飲料水用クラウドエマルジョン(懸濁剤)の製造
清涼飲料水の製造では、果汁が少なくてもより自然に見せるため、また保管中に沈殿したり着色・風味油が浮いて容器内側に輪状に付着するのを防ぐために懸濁剤が使用されます。懸濁剤は通常、風味エマルジョン(乳状液)と同様にエマルジョンの状態になっています。一般的な原材料:
- 懸濁剤: できるだけ無味な少量の油分で懸濁させます。シトラス(柑橘)オイルが最も広く使われています。植物油も使用されますが、酸化しやすいため、シトラスオイルが一般的に好まれています。
- 安定剤: ガム(主にアラビアガム)を使用してエマルジョンを安定させます。
- 増量剤/高密度化剤: 輪状に凝るのを防ぎます。従来は臭素化植物油(BVO)が使用されていましたが、現在は使用が規制されています。一般的にダンマルガムといったレジンガムが使用されています。
プロセス
懸濁剤は通常、水中油型乳剤の状態になっています。一般的な製造方法は下記のようなものです:
- 途切れのない滑らかなエマルジョンを作るため、ガム(安定剤)や他の添加物を液中に分散させる
- 予め混合されたシトラスオイルなどの懸濁剤と増量剤の混合液をタンクに入れ、予備エマルジョンを作るために混合する
- 最後に高圧ホモジナイザーを使って予備エマルジョンの溶滴サイズを必要に応じて小さくする
課題
従来のアジテーターで予備エマルジョンを作るにはいくつかの課題が発生します:
- 粉ダマの発生を抑えるために粉末を一定量ずつ投入する必要がある
- 従来の方法では粉ダマを効率よく分解・解消する剪断作用が得にくい
- 粘度が高まるにつれて、溶液の撹拌と粉体の分散が難しくなる
- 完全に分散させ、十分安定させるまで工程時間が長くなってしまう
- 高圧ホモジナイザーでは均質な予備エマルジョンが必要になるが、従来のアジテーターでは均質にすることは難しい
- 従来の方法では安定剤にロスが発生し、歩留りの向上に限界がある
- 部分的に水和した材料がミキサーのシャフトやタンクの内壁面に凝り固まりやすい
- 従来の混合方法では、最終的に必要な溶滴サイズにするためには高圧ホモジナイザーに複数回かける必要がある
ソリューション
シルバーソンミキサーならこれらの課題に対処することができます。下記に示されてい るように、ローターとステーターの剪断作用が粉末の材料を水和・分散させ、最終的に 均一に分散された予備エマルジョンを作り出します。
Stage 1
容器を液で満たし、ミキサーを始動します。その後粉末の材料を投入します。ローターブレードの高速回転によって強力な吸引が生まれ、液と粉末の材料がワークヘッド内に引き込まれます。
Stage 2
ローターの生み出す遠心力によって液と材料がワークヘッドの外周へ押し出され、その際にローターとステーターの間のクリアランス部分で剪断がかけられます。溶液はステーターを通って再びタンク内へ強力に押し出され、同時に新しい材料が連続的にワークヘッド内に引き込まれます。
Stage 3
油相の材料が加えられ、エマルジョンが素早く形成されます。短時間の循環ですべての原材料がワークヘッドを通過し、段階的に粒子・溶滴サイズが小さくなってゆきながら均一な予備エマルジョンが作り出されていきます。
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Stage 1
Stage 1
容器を液で満たし、ミキサーを始動します。その後粉末の材料を投入します。ローターブレードの高速回転によって強力な吸引が生まれ、液と粉末の材料がワークヘッド内に引き込まれます。
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Stage 2
Stage 2
ローターの生み出す遠心力によって液と材料がワークヘッドの外周へ押し出され、その際にローターとステーターの間のクリアランス部分で剪断がかけられます。溶液はステーターを通って再びタンク内へ強力に押し出され、同時に新しい材料が連続的にワークヘッド内に引き込まれます。
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Stage 3
Stage 3
油相の材料が加えられ、エマルジョンが素早く形成されます。短時間の循環ですべての原材料がワークヘッドを通過し、段階的に粒子・溶滴サイズが小さくなってゆきながら均一な予備エマルジョンが作り出されていきます。
メリット
- シルバーソンミキサーで処理された後は通常高圧ホモジナイザーに一度通すだけで求める 溶滴サイズにすることができる
- 高圧ホモジナイザーの工程を省くことが可能な場合もある
- おおよそ溶滴サイズ1ミクロン程度まで対応が可能
- 必要に応じてプロセスをすぐに開始または停止することができる
- 粉ダマができず、均質な混合が可能
- 高い均一性と再現性
- 安定した予備乳化
- 増粘剤を完全に水和させ、他の材料も完全に分散させるため、原材料の歩留り率を大幅に向上
- ミキシング工程時間の大幅な短縮
- 衛生的な構造
シルバーソンにはこの用途に適したミキサーが複数あります。各工程の条件や処理量に応じて適したミキサーを選択します。