ポリビニルアルコール(PVA)溶液の調製
ポリビニルアルコール(PVAまたはPVOH)は水溶性ポリマーで、接着剤や塗料、シール剤、コーティング剤、繊維、プラスチックなどに広く使用されています。通常、ポリマーは粉状で供給され、粘度や溶解度によってさまざまなグレードがあります。
ポリビニルアルコール(PVAまたはPVOH)は、不溶性のポリ酢酸ビニル(PVAまたはPVAc)とは異なる物質です。ポリ酢酸ビニルのエマルジョンも接着剤や塗料、様々なコーティング剤に使用されますが、この2つのプロセスは異なっています。
プロセス
ポリビニルアルコール(以下PVA)は高温~低温の水に溶解します。 PVA溶液は一般的に次のように調整されます:
- 粉ダマができないように、粉末を冷水に少しずつ加えます。水に入れると凝集する性質があり、水が昇温すると粘度が上がりますます凝集しやすくなります。凝集を避けるため、環境温度より低温の水が使用されることもあります。
- 粉を完全に分散したら、ポリマーが溶解する温度(PVAのグレードにより90℃~98℃の範囲)まで液を加温/加熱します。
- PVAが完全に溶解するまで混合・攪拌を続けます。PVAのグレードや攪拌効率によってはかなりの時間がかかる場合があります。
課題
従来型のミキサーやアジテーターでは、次のような課題が生じます:
- 粘度が上がるにつれ、粉体の引き込みや分散がますます難しくなる。
- 攪拌だけでは凝集塊を分解できず、完全に溶解させるのに長時間の混合作業が必要になる。
- 粉の引き込みのために強い攪拌が必要だが、そうするとエアレーションしてしまう。
- 攪拌の効率が悪いと溶解に時間がかかるため、工程を加速するためにせん断が必要。
- 加温/加熱の工程はコストと工程時間の増大になる。
解決方法
SILVERSONハイシアミキサーなら、PVAの粉体を高温の水に分散し溶解させることができ、従来の方法よりも大幅な時間短縮が可能です。一般的に次の方法で処理します:
Stage 1
タンクに高温の水を入れ、ミキサーを始動します。PVAを水に投入すると、すばやく液中に引き込まれます。ローターの高速回転によって強力な吸引効果が生み出され、材料がワークヘッド内に引き込まれます。
Stage 2
遠心力によって材料がワークヘッドの外側に向かって押し出され、ローターとステーターの間のクリアランスで強力なせん断がかけられます。それから材料がステーター を通ってタンク内の液中に放出されます。この時に凝集塊が素早く分散されます。
Stage 3
同時に新しい材料が連続的にワークヘッドに引き込まれ、混合の循環が生み出されます。タンク内のすべての材料がワークヘッドを何度も通過して段階的に凝集塊を解砕し、溶解が進みます。
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Stage 1
Stage 1
タンクに高温の水を入れ、ミキサーを始動します。PVAを水に投入すると、すばやく液中に引き込まれます。ローターの高速回転によって強力な吸引効果が生み出され、材料がワークヘッド内に引き込まれます。
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Stage 2
Stage 2
遠心力によって材料がワークヘッドの外側に向かって押し出され、ローターとステーターの間のクリアランスで強力なせん断がかけられます。それから材料がステーター を通ってタンク内の液中に放出されます。この時に凝集塊が素早く分散されます。
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Stage 3
Stage 3
同時に新しい材料が連続的にワークヘッドに引き込まれ、混合の循環が生み出されます。タンク内のすべての材料がワークヘッドを何度も通過して段階的に凝集塊を解砕し、溶解が進みます。
メリット
- PVAをはじめから高温の水に直接分散させることができ、加温/加熱工程が不要のため、工程時間を劇的に短縮できる
- 粉体を素早く分散することができ、投入ミスが起きにくい
- 増粘する前に粉体をすべて分散できる
- 強力なせん断によって凝集塊が解砕され、素早く溶解させることでロット間のバラつきが少ない
PVAは通常バルクで、インラインミキサーは大きな処理量に最適だが、処理量や仕上がり粘度によってはバッチミキサーで対応可能。
インライン型ハイシアミキサー
- 大きな処理用に最適
- 空気の混入がない
- 粉体を液中に取り込むための高効率アジテーターをタンク内で併用
- 既存の設備への取り付けが容易
- 自給ポンプ式
- 高粘度対応モデルあり
- さらに高いせん断力を備えたマルチステージユニットあり
- 防爆仕様あり(ATEX対応)
ウルトラミックス
- 大きな処理量に最適
- 大量の粉体をすばやく引き込み・混合可能
- 高粘度溶液の処理に最適
- タンク内の強力な攪拌/流動
- 定置洗浄(CIP)に対応した高いサニタリー設計
- メンテナンスが容易