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応用例

植物由来の代替乳製品-ノンデイリーミルクの製造

牛乳に代わる乳製品を含まない、完全菜食主義に対応する代替ミルクは、植物由来の材料とそれらの抽出成分からなる懸濁液です。 ナッツ、種子、穀物、豆類などから作られるさまざまな代替ミルクがあります。

代替ミルクも牛乳と同様な方法で消費者によって利用されていますが、代替ミルクの製造プロセスは、使用される原材料によって様々です。 このアプリケーションレポートでは、以下のプロセスについてそれぞれ紹介をします。

プロセス

ナッツミルク:

ナッツミルクは通常、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ等から作られます。これらのミルクは、まるのままのナッツ、ペースト状にしたナッツ、またはパウダー状のナッツ(またはフラワー状)等から製造されます。ペーストを利用する場合は、製品の食感を確保するために、ペーストは滑らかでなければなりません。ナッツをそのままの状態で使う場合は、ローストして風味を改善したり、ゆでて甘皮をとり粉砕しやすくします。最終製品は通常、細かいフィルターで濾過して、大きな粒子を取り除きます。(注:カシューナッツとマカダミアナッツは、濾過せずにミルクに仕上げることのできる唯一のナッツです)。ローカストビーンガム、ゲランガム、アカシアガム、カラギーナンなどの安定剤および増粘剤を使用して、口あたりを改善し、貯蔵期間を延ばすことができます。またミネラル、ビタミンパウダーなどが、栄養強化のため添加される場合があります。

豆ミルク:

大豆から作られる豆乳は、最も人気のある豆類ベースのミルクです。エンドウ豆乳は最近登場したミルクで、イエローフィールドピーから加工されます。豆乳は、まるのままの大豆(浸漬および粉砕行程を伴う)またはパウダー状(ホールパウダー、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物または乾燥大豆粉末等)から製造されます。ローカストビーンガム、ゲランガム、アカシアガム、カラギーナンなどの安定剤および増粘剤を使用して、口あたりを改善し、貯蔵期間を延ばすことができます。またミネラル、ビタミンパウダーなどが、栄養強化のため添加される場合があります。

シードミルク:

種子類もまたノンデイリーミルクとして活用されており、ひまわりの種や麻の種子、等が一般的に利用されています。それらの種子は水に十分に浸漬させてから、混合、粉砕されます。最終製品は通常、細かいフィルターで濾過して、大きな粒子を取り除き仕上げられます。ローカストビーンガム、ゲランガム、アカシアガム、カラギーナンなどの安定剤および増粘剤を使用して、口あたりを改善し、貯蔵期間を延ばすことができます。またミネラル、ビタミンパウダーなどが、栄養強化のため添加される場合があります。

ココナッツミルク:

純粋なココナッツミルクは通常、 缶詰にされて販売されており、主に調理素材として使用されています。 飲料としてのココナッツミルクは通常希釈されたもので、パック詰めにされて販売されています。ココナッツミルクは、皮を剥いで殻を除去した後に残る果肉から抽出されます。果肉をすりおろして圧搾し、ミルクを絞り出します。ミルクはさらに濾過をして粒子分を取り除きます。ココナッツミルクには天然の乳化剤が含まれていますが、製品は貯蔵中に分離する傾向があり、油分の多いクリーム成分が上層に分離してしまいます。これを防ぐために、グアーガムなどの安定剤を添加することがあります。新鮮なココナッツを入手することが困難な地域では、濃縮ココナッツや粉末タイプのココナッツ、またココナッツウォーター(ココナッツの殻の中にあるクリアな液体)からココナッツミルクを再生成して利用されています。ココナッツミルク飲料には、米や大豆などの他の材料がミックスされていることがあります。たいていの場合、ペクチンやローカストビーンガムなどの安定剤も添加されています。また牛乳の栄養価に近づけるために、ビタミンやミネラルが添加される場合があります。

穀物ミルク:

最も一般的な穀物ミルクは、オートミルクとライスミルクです。大麦、スペルト小麦、ソバ等もまた植物由来のミルク原料として利用されています。

オートミルク

オートミルクは、オート麦を水に浸して水と粉砕混合することで製造されます。口あたりを改善し、栄養価を高めるためにオイル分が添加される場合があります。最終製品は通常、細かいフィルターで濾過して、大きな粒子を取り除き仕上げられます。ローカストビーンガム、ゲランガム、アカシアガム、カラギーナンなどの安定剤および増粘剤を使用して、口あたりを改善し、貯蔵期間を延ばすことができます。またミネラル、ビタミンパウダーなどが、栄養強化のため添加される場合があります。

ライスミルク

工業的には、ライスミルクは通常、ライスシロップと水を混ぜ、米粉とデンプンで増粘することによって作られます。

課題

ナッツミルク:

  • ペーストから製造する場合、固形分が保管中に沈降してしまい、容器から全量を取り出すことが難しくなる場合があります。その結果、原料の無駄が発生してしまいます。
  • まるごとのナッツから製造する場合は、粉砕装置、分散装置、および粒子を細かく砕くための機械など、複数の装置が必要とされます。
  • 粒子サイズが十分に小さくならない場合は、大量の原材料がろ過により取り除かれてしまい、多量の廃棄物が発生してしまう可能性があります。
  • 混合が不十分な場合、最終製品の状態で油分が分離してしまう場合があります。
  • 粉砕装置は、(それを使用する場合に)増粘剤および安定剤の分散には適していない場合があります。
  • 粉砕装置はあまりサニタリー性が良くなく、洗浄面で不利な場合があります。

豆ミルク:

  • 大豆粉やプロテイン粉末、またはプロテイン除去粉末等は、最終製品で許容されるよりも大きな粒子サイズを持っている場合があります。粉末状の原料を単純に分散させるだけでは不十分な場合があります。
  • 大豆粉やプロテイン粉末を分散させるために使用される装置では、増粘剤などの添加物をうまく混合することができない場合があります。
  • 混合が不十分な場合、最終製品の状態で油分が分離してしまう場合があります。

シードミルク:

  • 粒子サイズが十分に小さくならない場合は、大量の原材料がろ過により取り除かれてしまい、多量の廃棄物が発生してしまう可能性があります。
  • 混合が不十分な場合、最終製品の状態で油分が分離してしまう場合があります。
  • 粉砕装置は、(それを使用する場合に)増粘剤および安定剤の分散には適していない場合があります。
  • 粉砕装置はあまりサニタリー性が良くなく、洗浄面で不利な場合があります。
  • 増粘剤が完全に分散されていない場合、ダマとなった増粘剤成分が濾過工程で除去されてしまい、原材料の無駄が発生してしまう可能性があります。

ココナッツミルク:

  • 粉末ココナッツは、最終製品で許容されるよりも大きな粒子サイズを持つ場合があります。粉末状の原料を単純に分散させるだけでは不十分な場合があります。
  • 粒子サイズが十分に小さくならない場合は、大量の原材料がろ過により取り除かれてしまい、多量の廃棄物が発生してしまう可能性があります。
  • 粉末を分散させるために使用される装置では、増粘剤などの添加物をうまく混合することができない場合があります。
  • かくはん機では、安定したエマルジョンを形成することができない場合があります。
  • 増粘剤が完全に分散されていない場合、ダマとなった増粘剤成分が濾過工程で除去されてしまい、原材料の無駄が発生してしまう可能性があります。

穀物ミルク:

オートミルク

  • オート麦は、残留廃棄物の量を抑えるために、できるだけ細かく粉砕する必要があります (残留物は動物の飼料として使用されます)。
  • 粉砕に使用する装置は、エマルジョンの作成に適していない場合があります。
  • 粉砕装置は、(それを使用する場合に)増粘剤および安定剤の分散には適していない場合があります。
  • 粉砕装置はあまりサニタリー性が良くなく、洗浄面で不利な場合があります。

ライスミルク

  • かくはん機では、安定したエマルジョンを形成することができない場合があります。
  • ガムを完全に水和させるために、溶液を長期間攪拌しなければならない場合があります。

ソリューション

シルバーソンミキサーは、ノンデイリーミルクの製造における様々なプロセス上の課題解決に役立ちます。

Stage 1

精密加工されたミキシングワークヘッド内のローターブレードの高速回転により、強力な吸引力が働き、液体と固体の材料が容器の底からワークヘッドの中心に上向きに吸引されます。

Stage 2

次に、遠心力によりワークヘッドの周囲に向かって材料が押し出され、ローターブレードの先端とステーターの内壁の間の精密加工されたクリアランス部にて、ミリング加工されます。

Stage 3

これに続いて、溶液がステーターの穴から強く押し出され、高速で周囲の液体本体へと循環されます。その際、溶液には激しい流体的せん断作用が働きます。ヘッドから排出された溶液は、高速で放射状にタンクの側面に向かって吐出されます。同時に、新たな溶液が継続的にワークヘッド内に引き込まれ、混合のサイクルが維持されます。

  • Stage 1

    Stage 1

    精密加工されたミキシングワークヘッド内のローターブレードの高速回転により、強力な吸引力が働き、液体と固体の材料が容器の底からワークヘッドの中心に上向きに吸引されます。

  • Stage 2

    次に、遠心力によりワークヘッドの周囲に向かって材料が押し出され、ローターブレードの先端とステーターの内壁の間の精密加工されたクリアランス部にて、ミリング加工されます。

  • Stage 3

    これに続いて、溶液がステーターの穴から強く押し出され、高速で周囲の液体本体へと循環されます。その際、溶液には激しい流体的せん断作用が働きます。ヘッドから排出された溶液は、高速で放射状にタンクの側面に向かって吐出されます。同時に、新たな溶液が継続的にワークヘッド内に引き込まれ、混合のサイクルが維持されます。


メリット

  • Silverson独自設計のワークヘッドにより、増粘剤や安定剤等の添加剤をしっかりと分散させることができ、原材料を最大限に有効利用することができます。
  • Silversonインライン型ミキサーを高速で運転することにより、粒子径のサイズを最大限に小さくすることが可能となります。
  • ウルトラミックスミキサーは、ガムや増粘剤などの安定剤の分散に適しています。
  • 交換可能なワークヘッドのオプションにより、Silversonミキサーは製造プロセスの将来に可能性をもたらします。原材料の変更に対応できる可能性をもたらし、新たな植物由来の添加物を導入することが可能となるかもしれません。乳製品と非乳製品の混合工程も、Silversonミキサーであれば簡単に行うことができます。

 

シルバーソンミキサーの選択肢は、ウルトラミックスミキサーから、高せん断タイプのバッチ型およびインライン型ミキサーまで様々です。 処理量、原材料、溶液のタイプ、および配合方法によって、最適なマシンが決まります。

バッチ型ハイシアーミキサー

  • 小麦粉、デンプン、ガム、増粘剤を含む粉体/液体の混合に適しています
  • シロップ、ペースト、濃縮液など、さまざまな粘度の液体を水にブレンドするためにも使用されます
  • ナッツ、種子、その他の固形物(開始時の粒子サイズによる)の分解、解砕に適しており、インライン型ミキサーと組み合わせて使用することができます
  • 2連型バッチミキサー(図中)は、より大きなナッツ、種子、その他の固形物の分解、解砕に使用することができます。多くの場合、インライン型ミキサーと組み合わせて使用されます
このミキサーの詳細

ウルトラミックス

  • 粘度の異なる液体同士の混合に適しています
  • ガムや増粘剤の分散
  • ミキシングヘッドが比較的小型であるため、IBCコンテナでの使用に便利です。ペースト中の固形成分を再懸濁するのに最適です
このミキサーの詳細

インライン型ハイシアーミキサー

  • 大きな処理量に最適
  • 粉体とペーストの混合に適しており、大きなタンクでは攪拌機との併用が推奨されます
  • まるのままのナッツ、種子、オート麦等が使用される場合は、バッチ型ミキサーや2連型バッチミキサー、そして底面型ミキサー等と組み合わせて使用されます。タンクに設置されたミキサーは、粒子を荒く粉砕する初期の工程を担い、インライン型ミキサーは、製品をさらに微分散して、目的のテクスチャーを得るために工程の後半にて使用されます
このミキサーの詳細

フラッシュミックス

  • 大量の粉体を分散する場合に適しています
  • 小麦粉や他の粉体をベースにした製品の製造に最適
このミキサーの詳細

パイロット型ディスインテグレーター

  • 底面型ハイシアーミキサーとインライン型ミキサーの組み合わせ
  • 丸ごとのナッツや種子、オート麦を処理する生産プロセスに最適です。 底面型ミキサーは、初期工程である、粒子の解砕や分散を担い、インライン型ミキサーは、材料を微分散し、最終目的のスムーズなテクスチャーを得るため、工程の後半に用いられます
  • 個々のプロセス要件に合わせてカスタマイズすることができます
このミキサーの詳細

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