応用例
高活性界面活性剤の希釈
ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)などの界面活性剤は、シャンプー、入浴発泡剤、液体洗剤や他の洗浄剤など、さまざまな製品に使用されており、一般的に濃度25~28%で使用されています。
濃度65~70%の高活性界面活性剤は高効率でコスト節約につながります。
また高活性界面活性剤は微生物の攻撃への耐性が高く、不純物の含有が低くなっています。
プロセス
2つの条件を満たせば界面活性剤70%の希釈はバッチで、あるいは連続で行うことができます:
- 水に濃縮界面活性剤を加える(その逆は決してしない)
- 希釈に対する濃縮は27%を超えない
高活性界面活性剤は高粘度ではあるものの、適切な剪断をかけることで比較的容易にポンプすることができます。(グラフに示されるように)濃度、温度、エアレーションも粘度に影響します。付加的な工程条件には次のものが含まれます:
- 塩化ナトリウム(塩)など、特に粘度が上がるようなや他の材料を加える前に高活性界面活性剤を希釈する
- 配管は最短にする
- 混合機の接液部はステンレス316を使用する
- プロセス温度は25°C~35°Cの範囲
右のグラフは高活性界面活性剤の粘がいかに大きく変化しやすいかを示してい る。”M”と”V”の段階ではプロセスができず、濃度70%は希釈において特有の課題が生じることがある:
課題
- 高活性界面活性剤と水は粘度が大きく異なるため、活性剤をタンクの水に加えたときに従来のアジテーターでは混合できず、界面活性剤が希釈されない
- 均一な希釈をするには長時間の処理が必要
- 配合によっては粘度が高すぎて一般的なミキサーや遠心ポンプが処理できない
- 濃度が27%を超えるとラウリル硫酸ナトリウムが高粘度ゲル化してしまう
- 空気に触れると粘度が大幅に上がってしまうため、空気の混入を避ける必要がある
ソリューション
ソリューション ‐ バッチシステム
希釈作業にはインライン型ハイシアミキサーが最適です。シルバーソンインラインミキサーを下図のように設置します。タンクに水を入れ、シルバーソンインラインミキサーのセルフポンプ作用によって循環します。高活性界面活性剤はインラインミキサーの直前の水流に加えます。ミキサーのワークヘッドでの処理によって均一に混合され、タンクの液中に循環されます。
ソリューション ‐ 連続システム
すべての材料がシルバーソンマルチステージインライン型ミキサーにかけられ、連続、ワンパス方式で希釈されます。
メリット
- シルバーソンインラインミキサーは粘度が大きく異なる水と界面活性剤をすばやく混合する能力がある
- 工程時間を大幅に短縮
- インラインミキサーのセルフポンプ作用によって高粘度の配合を処理することが可能で、付加的なポンプがなくても混合液をタンクへ移送することができる
- 空気の混入を抑えることができる
- 処理量が多い場合は給水中でも希釈循環を開始でき、さらに工程時間を短縮することができる
- 複数のタンクを使った混合のシステムを組むことが可能
- 高粘度対応モデルあり